ベンチャー/スタートアップの世界では日常に行われているピッチですが、この世界以外の方にはいまいち理解されていません。特にプレゼンテーションとの違いはよく分かりません。スタートアップも定義はひとそれぞれなので、ばらばらのようです。
現在、01Boosterでは事業創造/起業のためのアクティブラーニングプログラム01Dojo第二期を開講しており、非常に優秀なメンバーが参加しているのですが、ピッチには不慣れなメンバーが多いです。
そのうえで、ピッチに関して、以下のような注意点を整理してみました。
①はじめから10枚程度のピッチ資料を作らない。 十分に思考し、膨大なドキュメントを作成し、その中から無駄を絞りきってできあがったものがよいと思うのですが、いきなり、はじめから8~10枚のピッチ資料を作ろうとするので、論理構成が破綻しやすく、ちょっとした詰問でうろたえてしまうのです。Why & Why notを繰り返していくプロセスではドキュメント(メモ)は大量にできあがるものです。どのビジネスについて論点を出しつくし、誰よりも深く考えた状態にして、10枚程度に絞り込んでいきます。
②聞き手に何をさせたいのかを意識する プレゼンテーションもピッチもそうですが、聞き手にどんな行動をさせたいのか、があってはじめて意味を持ちます。投資家に出資をさせたいのか、メンバーに参画させたいのか、銀行に融資をさせたいのか、大企業に業務協力の意思決定をさせたいのか。誰に何をさせたいかを意識する必要があります。そしてピッチの場合には1分~3分程度の短い時間なので、「誰に何をさせたい」を意識しつつ、(ピッチでは聞き手に意思決定をさせるというより)「もう1回話しが聞いてみたい」と直感的に感じてもらう必要があります。ピッチは目的ではなく手段に過ぎません。
③ピッチの項目を研ぎ澄ます ピッチで織り込む項目は、聞き手は誰か、何をさせたいか、基礎的前提や情報が聞き手に事前に共有されているのか、ピッチの時間等によって多様であると思います。多くの投資家やインキュベーター、起業家がブログ等で「ピッチではここを言え!」みたいなことを教えてくれているのですが、私なりにまとめみると下表のようになるかと思います。重ね重ね、答えはないのではありませんので、自分なりにアレンジは必要です。
ビジネスプランコンテストがいろいろなところで開催されており、それ自体はスタートアップの世界を盛り上げるのでいいのですが、それゆえにコンテストで評価されるために表層的なピッチのテクニックを身につけてもしようがありません。そのビジネスを深く深く考えれば自ずといいピッチとはどうあればいいか、というのが見えてくるのではないでしょうか。
最後は、魂を込める、ことですね。
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