※ 2014年ごろのブログのリバイズです。
現在、第2期の募集を開始しました事業創造のためのアクティブラーニングプログラム01Dojoは参加者の「起業動機」を重要視しています。
・なぜ、そのビジネスをやりたいのか?
・その課題やテーマはビジネスで解決するべきなのか?
・なぜ、あなたがやるべきなのか?
こんなプリミティブな問いかけを初期の段階でしつこくすることで参加者の内省を促しています。目的は、ビジネス開発が進めば進むほど起業動機の掘り下げがないとブレ幅が多くなり、胆力がなくなります。結局、当初描いていたプランを断念したり、まったく魅力のないビジネスになったり、自分自身が覚悟をもってやれないビジネスになったりするようなことが多いのです。
ピポッド(こんな初期の段階だとピボットとは言わないか)をすることなど普通のプロセスなのでそこまでやらなくてもいいという意見もあるのですが、ピボットやリセットにかかるコスト、時間はもったいないですし、何よりもカオスに突入すると抜け出すまで時間がかかります。ゆえに意図的にプログラムにとことん自分の心の声を向き合う機会を織り込んでいます。 ほとんどの人はこのプロセスで大いに悩みます。 私なりに整理して悩みのパターンを大別すると以下の2つです。
①やりたいことが明確な方
自分自身のやりたいことがマネタイズしにくい。マネタイズのことを考えると自分のやりたいことと乖離して、本来自分がやりたいこととGAPが生まれてしまい、悶々とする。 そして、このような方は自分のやりたいことが明確なゆえに顧客視点が薄まる傾向があるように感じます。要は市場や顧客のためというよりは自己実現のためのビジネスになっていきます。社会的に政治的に正しく非常に綺麗に見えるので周囲からの指摘やプレッシャーが受けにくい可能性があります。
②やりたいことが明確でなく、ビジネス(起業)がしたい方
そもそも、どうしてもこれがやりたいというビジネスのネタはなく、単にビジネス(起業)がしたいため、何をすればいいか分からず、また何をやっても飽きたり、しっくりこないため、悶々とする。 この方は心からやりたいことが明確でないため、ビジネスしたい、そして成功したい、金儲けしたい(そこまで極端ではないですが)という後ろめたさが付き纏います。事業ミッションにも説得力がなく、儲からなければ胆力が持たず、諦めやすい宿命にあります。日本人は清貧思想が強いため、不純な動機と思われる可能性があるため、対外的には美しい理念を言ったりします。
①②は白黒ではありませんし、いい悪いの話しでもありません。 あえて悩みを大別してみるとこんな風に分かれるかなぁと思っています。 最近、立て続けに②の方の相談を受けることがありました。大きな大義がない(と後ろめたさを感じている)ため、動機が不純だと指摘されやしないかとという心理が働いています。私もどちらかというと②に近いです。ゆえに②の方の悩みはよく分かります。
で、結局①でも②でもアプローチはどちらだっていいのではないかと思うのです。どの道悩むのです。自分の思いに従いマネタイズに躓き少しずつプランを修正していくプロセスもいいし、マネタイズできるところから入って、少しずつその事業の意義を感じていくプロセスもいい。 起業し、社会に影響していく結果は一緒です。行動することそのものが高貴で意義があると思うのです。