ベンホロウィッツの名著「HARD THINGS」に正しい野心(The right kind of ambition)という言葉があります。過去にオーラ鈴木がまとめているので参考に。
そもそも正しい野心とは何か
「会社の勝利を第一の目標とし、その副産物として自分の成功を目指す」ような人ということです。誰もが逆の野心(自己中心的:会社の業績がどうあろうと自分個人の成功が第一)とこの「正しい野心」の双方を持っているとは思います。どちらが色濃くでるかですね。
正しい野心かどうかは起業ではハッキリ出る
起業は創業者ではなくてもリスクをそこそこ取るのもあって、自分の意志というのは強く出る傾向があると思います。なので、一つ思いますのは、最初から分かるかどうかは分かりませんが、正しい野心の持ち主かどうかは実にハッキリ(場合によりかなり後で)分かります。
正しい野心の持ち主が揃った方が事業価値の向上に方向性が定まるので事業自体は成長しそうですよね。
Win-Winを考えられるかどうか
特に米国系では個人・個人の付き合いが強いので、以降、会社を離れて何かで付き合う可能性があるので、比較的Give and Takeがデフォルトである程度できている気がします。しかし、日本の場合は実はそうでもないと感じています。結構、「100 : 0」つまり、相手にメリットがあるが自社にはメリットがない提案というのを実はベンチャーになると大量に受けるケースがあります。
多分、2社間でお互いにプラスになるのであればその方がきっと良いとは思います。お互いのメリットを考えて、相手にもメリットを与え、最終的に自分の勝ち(多くの場合個別よりも大きい)も目指すのは一つの能力だと思います。会社の場合、長い雇用を前提としているので、社内向きの意見が多くなり、能力というよりは経験的にWin-Winというところができる人は日本ではなかなか育っていないのが現状だと思います。
少なくとも自社に都合の良い提携・連携相手を発明してはならない
起業においては
さて、起業においてはこの正しい野心の持ち主で揃える必要があります。少なくとも経営陣は。ベンチャーの崩壊はかなりの部分が内部崩壊という話があります。これはかなりの部分で真実だと思います。音楽バンドが途中で解散するように人のウィル(志向)は根本的には合いません。なので、崩壊の危機は常にあるわけです。仲違いはデフォルトですると。ただ、この仲違いが会社の事業への支障になるようでは問題です。
ただ、それぞれに生き方がありますので、都合の良い創業者や仲間を発明してもいけないですね。自分が大変なので相手も分かってくれるということは無いと思います。このバランスを取るのが難しいところですね。
銀の弾丸は無く、鉛の弾丸を打ち続けるしかない。 by ホロウィッツ