01Blog / 正しい野心(The right kind of ambition)

2015.07.11

経営者として日ごろ感覚的にもっている考え方を、分かりやすい単語で置き換えてくれる。そしてそれが組織の共通言語化するのは大変効率的です。1つの単語ですべて伝わるのですから。最近の01Boosterの共同代表合田ジョージのブームは「正しい野心」です。ちなみに合田ジョージには言葉のブームがあり1ケ月くらい多用しますので、周りの人は耳にこびりつきます。ということで遅ればせながら私もベンホロビッツの「HARD THINGS」を読みました。巷には起業の「楽しいこと」にクローズアップするメディアが氾濫しているわけなので、「辛いこと(HARD THING)」にフォーカスしている本書が注目を浴びているのかなと思っています。起業は苦労苦難の連続なわけなのですが、気持ちの持ちようで日頃から「辛い」と感じさせないことを習慣化させているとも言えるので、辛いことの再確認をできたというところでしょうか。

 さて、本書の中で取り扱われる「正しい野心(The right kind of ambition)」と「間違った野心(The wrong kind of ambition)」は今後、人材採用や事業パートナーを見つける上で有用な視点です。「野心」という日本語は一歩間違えるとネガティブにとらえてしまいそうですが、仕事ができる人というのはみんな「野心」を持っています。単なる労働報酬の獲得以外に「個人的な野心」があるからモチベーションがあがるわけですので当然です。本書では「野心」にも種類があるというわけです。そして、その種類を実体験として「そう、あるある!」と感じさせてくれます。

正しい野心とは、組織の成功を通じて、個人の成功を目指そうとするものであり、結果として組織と個人がWIN-WINとなります。間違った野心とは個人の成功のために、組織を活用するものですので、組織の成功は二の次となります。私自身は組織と個人は対等だと思っていますので「滅私奉公」などという考え方はおかしいと思っています(とはいえ、対等であるためが双方が自立していることが前提となります。)が、厳しい経営の世界に身を置いていると、「正しい野心」の持ち主と「間違った野心」の持ち主は非常によく分かるようになります。特に半年先の事業存続も保証されていないベンチャー企業の経営をしていると、すごく敏感になるわけです。

経営者としては「正しい野心」の持ち主を見分け、その「正しい野心」を充足していただきながら、組織を発展を図る必要があるわけです。その見分ける力を”組織”として、持たなければいけないと言い聞かせています。

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