01Blog / 自分の中にある「間違ったこだわり」という起業の天敵と闘う

2016.05.25

こだわりは捨てよう。こだわりは行動に制約を与える。 by Konosuke MATSUSHITA

楽器を習うときにも起こること

先日、楽器を教えてらっしゃる音楽家の方とお話していました。ある程度で上達が止まってしまう人の中には「こだわり」の強い人が多いようです。特にある程度、会社で長く働かれていて、それなりの地位(だった)の方、過去に音大を出た、などの人だそうです。こんな会話が交わされます。

● 教えている人「このような方法で練習されたら」

● 習っている人「こんなに頑張っているのに」「過去はこうだった」

簡単にいえば、練習方法の話をしているのに対し、自分の努力の話をしてくるので咬み合わないのです。このような状況は起業の世界でも良くあります。

非常に強い過去の経験の呪縛

多くの人と話しますが、誰もがハッキリ言って過去の経験によって物凄い考え方がシフトしています。

自分の過去の経験(職歴)に人は本人が想定している以上に、言葉を変えていえば「異常なほど」左右されます。経理・マーケティング・会社名など、その職種・会社でのやり方に大きな影響を受けることは本当に多く、この「個人の過去の呪縛」を如何に客観的に見れるかどうか?が起業ではとても重要な要素になると思います。具体的には「考え方」「モノの味方」が非常に大きく影響を受けます。

自分が正しいと信じている軸、そのものが過去の経験でずれているので、自己否定になりますから・・常に「自分はシフトしていないか?」「自分は間違っているのではないか?」と自問自答するぐらいではないと本当にこの「間違ったこだわり」抜けません。多分人に指摘してもらわないと自分ではわからないケースも多いです。

自分の本当に愛しているものは冷静になれない

地域愛、自分の過去に真剣にやってきたもの、何かとても好きなもの、などには非常に人は感情的になると思います。何かを好きなこと・愛していることは素晴らしいのですが、感情的、つまり、これは「顧客の発明」の危険性を常にはらんでいます。自分が本当に好きであることは起業の動機として重要であると共に、周りの人もそれを好きであるという錯覚に陥ります。教育、音楽・趣味などの嗜好系、社会的なことなどは特に大きいですね。

こうなると、誰でも人に嫌われたいとは思っていないので、客観的な意見に対してのディベートになってしまって、周りの人もある程度で話すのを止めてしまい、良いことしか言わなくなるので「顧客の発明」が止まらず、ビジネスもうまく行きません。自分が好きなものこそ「客観的に・・・客観的に・・」と自分に言い聞かせる必要があります。

大失敗など、痛い目が必要なのであるが

大失敗するか、痛い目に合わないと人は変われないとは思いますし、それでも、変わらない人もいると思います。本当にこの「こだわり」は自分の「アイデンティティ」に関与するので、難しい問題なんですが、残念ながら人は変わらないというのが残酷ながら真実だと思えます。それだけ起業の天敵の「間違ったこだわり」を克服するのは難しいものです。

常に自分の考えを疑う能力を高めよう!

起業家に必要な能力ですね。人を動かすのですから、何かをするときには「そうだ」と信じているのです。一方、失敗したら「まるで無かったかのように」忘れて、次の手を打てる人は起業家として強いです。でも、周りにいる人にはそれが非常識に見えます(なぜ経営者の気はそんなに変わるのか)。ポリシーは無いのか?考えがぶれすぎる!など叱咤したくもなるでしょう。しかし、それは優秀な起業家の条件かも知れません。自信がないというのではないんです。

最終的に勝つことにこそ「正しいこだわり」を持つべきです。

起業家は・・

  • 自分自身の考え方は「シフト」していないか?
  • 自分の「常識」は間違っていないか?
  • 自分は何かに「間違ったこだわり」をもっていないか。


・・を常にチェックする必要があります。

思い込みは、あると気付いた時にはもう思い込んでおらず、思い込んでいる間はある事すら知らない。つまり人は常に何かを思い込んでいてそれに気付いていない。by Dai TAMESUE


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