【01Blog】GoProが創ったのはなんだったのか?

2014.08.17

GoProはカメラを創ったのか?きっとそうではない。 GoProカメラはIPOの時価総額はなんと40億ドル(4000億円)。ウエアラブルのカメラ市場でなんと90%のシェアということです。これはすごい。 GoProは2004年なので10年選手ですね。CEOのニックさんはサーフィンの画像が撮りたかったんですね。最初はこんなカメラを創った?のですね。但し、カメラが壊れまくったと。 次はこんなのを創ったと。 ここに成功までの話があります。 https://www.youtube.com/watch?v=Gd-k-395KtA GoProが今後はともかく、ハードウエアのベンダーとして何故ここまでの成功を収めたのか?には興味がでますね(もちろん後付では色々言えるんですが!すんごい頑張ったんだと思います!)。 この解説では、ペネトレーションプライス戦略がその一つ。このウエアラブルの高解像度のカメラとしては同業よりも少し安く設定したと。後はリストに付けるカメラから始めたこと(想像できる限り色んなところにユーザが取り付けた)。これは、上のビデオの中でも沢山のサーファがこういうの付けたがったと語ってますね。これだけでも無さそうなので、こちらのエントリーも参考にしてみます。一つはランチェスター戦略。いわゆるこういうハードな使用に耐える小型のカメラへの集中。これは広い製品範囲を持つ大企業との差別化には必要な要素ですね。次に、製品のことを(多くのメーカ系がするように)あれこれ説明せずに、製品自体に語らせる。つまり、撮ったビデオとそれを撮った人に語らせるというソーシャル要素。そして、GoPro自体がUser-generated Contentsを盛り上げる。 と、言うのは簡単なんですが、これは大きくは別にCEOのストーリ(サーファで臨場感のある画像が撮りたかったがカメラが無かったので工夫して)が関わったのでは?と思えます。 私はメーカの経験が長いので、日系のメーカや製造の人が「モノ(ハードウエア)」自体の価値にこだわることをよく知ってます。また、製造に身をおいた人間としては結構ハードウエアを創るのが大変なことも知ってます。また、品質・技術にこだわることも知ってます。更に、多くの日系のメーカがこのGoProを「ハードウエア」として創れる(創れた)であろうことも分かります(実際にソニーもニコンも出しているようですね)。 これは戦略の階層で言うところの製品の品質や技術で攻める作戦以下の下位階層(日系が得意)に対し、自分の撮った画像をシェアする、驚かせる、自分自体が主役になるというもっと上位概念の世界観や政策レベルで戦った結果であると思ってます。日系の特に製造業はここが弱いですね。 それにしても、こういうのいいですね。GoProが創ったのはカメラではなく、製品名の通り、多くのHEROなのかも知れませんね。

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