01Blog / 技術を市場とつなげる「MFTフレームワーク」

2016.08.18

技術はビジネス(ビジネスモデル・ビジネスプラン)ではないと思います。私も技術者あがりですので気持ちは分かるものの、この点はなかなか研究者・技術の間で腹落ちされていないように思います。

研究・技術開発系の会社の方、あるいは、技術系ベンチャーの方々と話す事が最近は多いです。この時に思うのは、どうしても「技術」中心に考えるので、ビジネスの考慮になっていない場合でしょうか。この結果、なかなか光が見えない技術をビジネス化したい話が多いのも事実です。

ビジネスモデルとは何か

ここにまとめてあります。少しいい方を変えると、下記になると思います。

ビジネスモデル(business model)とは、利益を生み出す(技術から生まれた)製品やサービスに関する事業戦略と収益構造を示す用語である。

技術があって、そこから生まれた製品やサービスがあれば、それを更に売っていくための事業戦略と収益構造まで揃ってビジネスモデルになるというところです。

いきなり技術を市場に結びつける

一つのコア技術の応用例はかなりあると思います。多くの技術シーズ型のビジネスが、応用例が仮に100個あったとしたら、かなりの決め打ちでその内の1−3個ぐらいを製品化・サービス化しようというものが多いのも事実です。例えば、人の目の動きを認識する技術があった場合、①広告(目がどこを見ているか、例えば広告を見ているか確認する)、②運転(車などの運転のAIDなど)、③調査(目がどこを向いているかで嗜好を知るとか)・・と大量にあります。

この場合、何か、アプリケーションを考えるということよりも、何かの「決め打ちした」アプリケーションに対して作りこむ方が研究・技術者にとって精神的には楽だと思います。「ゴールがこれだ!」と決めるのは決断であり、「このゴールに向かって作りこむ」はオペレーションです。ここでは使う頭の部位が違うんだと思います。この結果、前者をとりあえず決めてしまって、後者に突き進みたいという欲望に技術者・研究者は駆られるのではないでしょうか。何故ならその方が得意だからです。

そもそも、得意なのか

経験のない分野が必ずしもダメではありません。特に常識を打ち破る場合は新参者の方が頭が柔らかいから良いというのもあると思います。一方、技術開発とビジネス開発は違います。基礎能力はともかく、やったことのない事でその専門家で勝つ(仮に、陸上の選手が素養がいくらあっても、水泳の選手に勝てるか?と言われるとなかなか・・・)のは非常に難しいと思います。

(そもそも、技術の専門家がビジネス面までどんどん考える必要はありますが)そもそも「強いのか?」だと思います。この点は疑問があります。

まずはMFTフレームワークを使ってみる

技術シーズを市場に結びつけるのにMFTフレームワークは有効だと思います。下図を見てもらうと、ある「技術A」があると、いきなり「市場α」が良いと決めてしまって、いきなり開発しだすケースですね。これが多い気がしますが、これは良くないと思います。「技術A」の機能を分解して、「機能①」・・、これに「市場α」・・の中での応用例を考えていく(競合・関連企業・時間軸などの要素もあるといいですね)というのが必要だと思います。何も長い間調査をする必要はなく、MECEに最低限の地図は欲しいところです。このMFTフレームワークは技術シーズに対しての応用例を考える上で有効だと思います。


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