そうやって「俺っち」をどんどん広げていくと、ようやっと「世界らしきもの」に辿り着けるのではないか。
2015年2月28日〜3月1日で
萩セミナーハウスを活用して
地方創生アクセラレーター萩2015を実施ししました。もちろん、実際のアクセラレータープログラムは
起業家(事業家)の募集⇒5-12チーム選抜⇒10%程度のEquity投資⇒プログラム(3−6ヶ月)⇒Demo Dayというヘビーなものですので、今回は「アイデアソン」+「事業創造ビジネスエッセンス」+「ネットワーキング」の三つ巴を二日間で実施したものです。いわゆるMBA的なマーケティング・ミックスのような話は含まれていないことと「行動」につなげるには「アイデアソン」レベルでは厳しいものの、まずは、最初の一歩としては良いスタートであったのではないか?と思っております。
コンセプトはできるだけ、手放しで地方創生バンザイ!にならぬように、後は、難しいですが、少しでも行動につながるように、もうひとつはビジョンです。出来る範囲になりますが「海外」と「よそもの」を出してくる感じで、
リベルタの澤野さん(須佐出身)と相談しました。
ついやってしまった感満載の興奮するオッサン達(吉田松陰先生すみません!)
私個人は親が北海道で千葉出身の典型的な上京組ですので、日本レベルでは好きですが特定地域への郷土愛というのもはありません。まさに住めば都です。地方創生が重要ではないか?というと重要だとは思いますが、じゃ、地方創生原理主義みたいになっても問題で「何が本質なのか?」を考える必要もあり、安易に「東京から見て地方が遅れている・可哀想」という
押し付けの価値観は非常に宜しくない。そもそも東京自体がアジアでも
トップクラスですので、ここから見たらアジアのどの都市でも評価上は下になるわけです。逆に東京の地位を落とさないようにリソースを集中し続ける方が国という単位で見ると良いとも思ってます。また、日本の地域格差が国際的に見て
非常に少ないこととや様々なヒヤリングと調査「
まちづくりデッドライン」という書籍の出会いをベースに仮説として2つを考えました。
事業創造で協力する
森永製菓さんのキャラメルと共に
- 短期的には困っておらず、また、特に大きな問題があるわけではない。不幸か?と言われるときっと都会に居るよりも幸せな人も多いであろう。しかしながら、自力で何かを実施するということに関しては中央などに依存している傾向があり、長期的には活力や人口減、イノベーション、そして地場を発祥とする「行動」不足が累積戦略的に逆に積み上がるので、かなり厳しい。臨界点を突破すればある時点で必死にもなるのでと思えますが、その時にそれを打ち破れる人材が突然育つ可能性は低い。日本の特徴として、地域・産業がバラバラという問題点がある。
- 一方で、山口・福岡レベルで1.4百万も人口がおり、EUの小国と変わらない。経済力も「現在は」小国と変わらない。比較的歴史が長いのでまだまだアレンジ次第で通用する産業が実際にはあるであろう。つまり、バラバラは宜しくないですが、国家レベルで考えず、県レベルで考えれば、対日本でも、対同等他国地域(国やらシリコンバレーやらロンドンと対峙するのは?であるが特定国の地域ならイケる)でもリソース自体が不足しているわけではない。
上記を踏まえると、少しづつでも手を付けておくというのはきっと良い事だと思いますし、
西から日本が変わるというのは僕もそう思ってます。東京の最大の欠点は地場が比較的大きいので、日本国内を見がちだということです。
萩しーまーとの梅
さて、小難しいコメントはこれぐらいにして、実際の振り返りを。萩のセミナーハウスは白壁の街内にあります。非常にリーズナブルな価格で
萩LOVEの皆さんと澤野さんの方で色々手配してくれました。
萩セミナーハウス
今回は、将来的に行政さんとの協力を見越して、中小機構さんにご後援頂きました。個人的には日本の場合、民間で主導して成功事例を創りそれに行政を載せていくというのが一番日本に合っていると思っております。この考えは国連などにもいらっしゃった
iforceの樋口代表や横浜市で長く産業振興の部長を務められていた
横浜市北工業会の長島理事に教わったものです。行政はダメだ!と蔑ろにする人もおりますが、私はそうは思わないし、結果的に民間には限界があって、最終的には行政に大きくして頂くしかないと思ってます。ただ、初動は民間の方が良いと思っているのです。

13:00から19:00までの相当な長丁場でDay1は始まりました。
ぞろぞろ集まる参加者の皆さん
今回の仕掛け人の代表人物の一人である澤野さんの話で始まります。その後東京系メンバーの自己紹介。
澤野さん(何故かピンク?色のズボン。梅を意識してますね?)
萩LOVEを代表して松島さんからのご挨拶です。今回は萩高校と萩商工から高校生を沢山連れて来て頂けました!

では、Workshopに突入です。
今回の総合ファシリは01BoosterのGeorgeの方で拝命させて頂きました
最初に少しディベートの手法を使って、
地方創生そもそも必要なのか?という話を議論頂きました。後はビジョン。これは地方創生というワードの目線のずれと、地方創生は必要であるという前提をそもそもそうなのか?という疑問を持って頂き、最終的にでは、
本質的なこととは何かを参加者の皆様の内で確認する事が目的でした。
高校生・老若男女・地域も入り交ざっての活発なディスカッション
次に01Boosterの鈴木代表から新規事業の起こし方と少し議論を挟んでピッチに関して説明しました。また、ワークショップの合間に萩セミナーハウスのレイチェルさんを中心とするメンバーから諸注意事項もご説明頂きました。萩セミナーハウスの皆様、たいへんお世話になりました!
萩セミナーハウスの皆さん
熱弁するオーラ鈴木
ビジネスアイデアを沢山出して、まとめ上げる流れです。途中、色々チーム毎に発表したりしてもらいました。

ワークショップの途中で、
学研アクセラレーターでも優勝された山内さんのアグレッシブな講演も頂きました。なかなか泥臭い起業の話でした。高校生に後でディスられているあたりがまた山内さんらしいです。
「毒にも薬にもならない」より「毒か薬か」というのは素晴らしい。起業家とても共感できました。

その他、タイで起業家として活躍される
越さんにタイでの起業の話や、シドニー在住の西尾今日子さんに韓国やオーストラリアの事例もSkype経由でご報告頂きました。
オーストラリアとネットで繋いでプレゼンをベースにSkype経由西尾今日子さんが説明(澤野さんが日本側でホロー)
ワークショップは18:00まで続き、ビジネスプランのラフなまとめに入ります。ここで、01Boosterの鈴木代表からビジネスプランのポイントの関しての説明です。
プランの基本的な要素を説明する鈴木代表
遅くなりましたので、高校生が帰宅しますので、帰宅前に皆さんで挨拶です。萩ふるさと大使の井関さんから激励が飛びます。
高校生が一人づつ挨拶です。萩に日本がもっと良くなるために頑張りたいという自然な発想が印象的でした。
高校生を激励する井関さん(萩ふるさと大使)
その後は記念撮影ですが、何やら萩?山口?のサインがあるらしく皆で調整中です。

この写真が良かったので、集合写真として!高校生の皆様お疲れ様でした!

その後は少しプランをまとめあげて初日のラフな2分ぐらいのピッチです。なかなか盛り上がりました!
Day1の暫定案のピッチ大会です
各チームで様々なところで明日のピッチ大会に向けての議論が進みます。

さて、夜を迎えて、次の日の朝です。宿泊組は楽しい朝食会です。
シソワカメが上手いですね!
ダイエット中の澤野さん
童心に戻ったような素敵な笑顔ですね!
地元の方にピッチ大会の景品として提供いただいた品々です。誠にありがとうございます!今回は予算なしで、徴収させて頂いた会費のみでの実費運営でしたが、萩LOVEの方々や澤野さんのお陰で多くの地元の方のサポートを頂戴出来たことを深く感謝するとともに、皆が主役であるということを再認識できました。ありがとうございます!
地元の方々からの景品の数々
松下村塾を意識して今日はゴザでビジネスプランのブラッシュアップが続きます。

最初は自費でここまで来てくれた中小機構の吉田匡さんから無茶ぶりご挨拶です。

その後は各チームの発表会!最高に盛り上がりました!

全員が一票づつで投票です。

最優秀賞は「801」チーム!萩セミナーハウスの皆様と共に記念写真!おめでとうございます!実は社会人大学(ビジネススクール)2名を擁する猛士チームでしたね!

地元の皆様のお陰で全員に景品が頂けました!

オーラ鈴木の方から少し講評です。昔、01Boosterたちあげを含み、モチベーションを落とした時に一人萩に来て松下村塾に行ったという、心の故郷で興奮気味でした。

福岡を中心にスタートアップカフェや再生・ベンチャーファンドを実施しているドーガンさんから藤見さんが今回は来てくれました。お言葉を頂戴しました。ドーガンさんの西日本での活躍に大期待です。

世界を萩から変える漢、井関さんの挨拶は良かったです。「
萩がどう世界に貢献できるか考えたい」素晴らしいお考えですね!是非、萩を起点に日本を、そしてアジアを良くして頂きたいです。
挨拶する井関さん
今回は澤野さんお疲れ様でした。良い意味での狂人ですね!
澤野さんのシメ
最後に「
シリコンバレーより凱旋帰国、イノベーションプロバイダー森若 ジョン幸次郎参戦!?」ということで、Johnさんがアメリカの事例を中心にご説明。とてもアグレッシブな話で感動しました!

ということで、地方創生アクセラレーター萩2015は無事終了。次のアクションを模索します(ちなみに、萩に来たのは私3回めでの少しまとまったセミナーの開催です)。ここで、東京から大分に行く途中で萩まで来ていただいた山内学氏のコメントがとても良かったので載せておきます。
山内学氏
世界を変えるの"世界"は、人それぞれ見えている面が違っていて、またその依存度という点では、地域に根差している人もいれば、そうでない人もいる。
「世界」というのはビッグワードの極みなので、「俺っちの周り」とする方がしっくりくる。自分が知っている「世界」とは、「俺っちの周り」のことだ。
萩での地方創生の試みは、「俺っちの周り」を変えたいという思いが溢れ出ていた。
そこに「よそもん」を巻き込むことで、「俺っち」の範囲が広がっていく。
そうやって「俺っち」をどんどん広げていくと、ようやっと「世界らしきもの」に辿り着けるのではないか。
萩の白壁は、曇り空にもよく映えていた。
またお会いしましょう!萩城の前でキャピるオッサン達
どのような形が地方創生で本質的に良いかはまだ分かりません。ただ、単純に一過性のものでは厳しく、我々は長い工程の中でそのような取組も必要だと思いますが、できればそれだけという形は避けたいと思っております。我々の社是は「日本を事業創造出来る国にして世界を変える」ですから実際に事業が興ることが意思決定の軸です。そのためには、経済実態が伴う持続可能(サステナビリティ)のあるモデルが必要で、今回はその扉を叩いたという意味での最初の一歩目にできればと思っております。いつの日か萩で事業創造革命甲子園が出来る日を夢見て。
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