日系の起業は世界を変えられるのか?
いくつかのエントリーを書いてみましたら、色々コメントを頂きました。方法や手段、思想、正しい・間違っているなどはともかく、ゴールは「
日系からも新規事業を活発に興して日本が世界に貢献できる未来を創る」ことなので、多くの人がこのテーマに関して関心を持ち、努力されていることを嬉しく思います。
日本では残念ながら起業では世界を変えるにもう少しということで「
あなたのビジネスプランは世界を変えるのか?」そもそも(産業分野によるが)市場の定義を日本中心に考えて世界を変えられるのか?ということで「
"ボーングローバル" 日本の市場だけを狙って世界を変えられるのであろうか? 」一部の狂った起業家として生まれた人間以外は国際競争のために一度大手に行こう!という「
学生起業には大反対、大企業に行くべし!?」。勉強不足!というお叱りはごもっともです。
さて、大企業がイノベーションや新規事業を興せないか?というと私はそうも思わなくて、事例は沢山あると思いますし、人事制度などにもかなり左右され、会社によっては新しいものを産めるところも多い。実際に自分も沢山携わったし、かなりの勢いでスケールしたモデルもありました。問題は・・・
- 日本しか世界にない場合は良いでしょうが、大陸のトップダウン型の企業との「国際競争」でスピードでそもそも勝てるのでしょうか?産業にもよるでしょうが、これだけスピードが早い世界で米国や重厚なドイツの企業ですら社外依存度を高めている。ディズニーアクセラレータのように産業規模でアクセラレーションしてくる人たちに対し、自前主義が強すぎる1社の企業が勝てるのでしょうか?
- Googleでさえ新規事業を外部に求めている。Googleよりも革新的な会社ですか?
- 一日で決められますか?(もちろん、親族型の企業であれば日本でも可能だと思います)
- ROIが本当に良いのでしょうか?10年間、20年間もコツコツと積み上げて開花する新規事業もあります。それはそれで素晴らしい。しかし。
- あまりにも一部の人間の「信念」や「変人ぶり」に頼って居ないか?上記の何年も冷水を飲める日本人は素晴らしいと同時にそれに頼りすぎてませんか?と(世間で言えばヲタク文化とか、これも批判を恐れず頑張った結果)。
- 一回始めた事業を簡単に止められますか?
- 人財は流動してますか? シリコンバレーやイスラエルのような色々な背景を持つ人が集まる空間に勝てますか?(一方、オペレーション上は同質の人間は強いとは思います)。
- そもそも、そんなにアグレッシブな人間が入社してきますか?
- 頑張ったり、成功した人へのインセンティブはありますか?
日本の起業系はまだまだ世界を変えるようなものは少ないかも知れない。日本人は真面目で頑張りますし、インセンティブがほとんどない中でも(金銭的なものが全てとは思ってません、
マズローの要求もありますし)新規事業をあえて出世を捨ててでも頑張ります。これは非常に尊いと思います。なので、大企業(中小企業でも)で必死で努力されている人も多いことは重々承知です。
この努力が長寿な企業数が極めて多い日本を創って来たのは事実かと。だったら、苦手な部分を補強したらもっと強くなれるのではないかと。積み上げ式の「品質」「技術」を研ぎ澄ますだけではやはり厳しい。そこは強いのだから、もう一歩先を。
そろそろ目を覚ます時期が来たのではないか?と思うのです。私は昨年〜一昨年にわたって海外に30回以上行きました。そこで見たのは(一部を除き)ジリ貧になる日系企業です。海外展開も新規事業。自力でできることはよほど製品に競争力が無いと限られ、外部リソースは必須です。もう一度言いますが、目を覚ます時期が来たのではないかと思うのです。
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