社内起業という選択肢を考える

2017.12.18

私は起業側の人間なので、だんだんその軸で自分自体がシフトをしていくことを感じずにおれません。社内起業とは結局どういうものなのか?と再度考える機会もあり、少しまとめておきます。

そもそも起業の成功確率は低い

答えは無いんですが、大手を辞めて起業する場合、実際に扱える(売上として)はかなり小さいものになります。確かに成功者も出ますし、それは自分がコントロールできる世界ではあるものの、経済的インパクトという点でみたらどうか?ですね。「独立して失敗する人は期待値がわかってない」にあるように起業における期待値は200万円、会社員の場合は4000万円と期待値レベルでみるとかなり開きがあります。これは事実として受け止める必要があります。大きな事業を起業で創れる人はプロ野球の選手のようなものであり、多くは数億の事業を創れるかどうかとなります。2億を超える事業を創れる人は僅かではないでしょうか。実際には。。

誰もが起業に向いているか?

大型の事業をゼロから創る素質のある人はある程度限られてくると思います。ビジョン、突破力、カオス、巻き込み力(そしてこれらが仮にあまりなくても時の運もあります!)など様々な要素があります。この点である程度、人は選別されると思います。もちろん、どうしても今の会社では興せないと思うような事業は起業が向いていたりしますが(全くの飛び地型など)。

社内起業はどうなのか?

イントラプルナーという1985年に書かれた本があります。アメリカが日本に負けだす少し前の本です。「まさに」という感じで今の日本の状況のようなことが書かれております。既に絶版と思えますが、中古では手にはいりそうなので良かったら是非。ここから、起業と異なる社内起業の特徴は2つと見ました。

  1. 必ずしも起業家気質の人が行うとはわからない。全く、誰がイントラプルナーになるのかを予測できない。
  2. 隠れてやること(プロジェクトの許可を得るよりも失敗して許してもらう方が楽)

ですね。後、社内起業家は既存の出世ラインとは違うので(既存のラインでは出世しない)、研究所でいうとことの専門職のような仕組みが必要で、その後のイントラキャピタル(成功したらある程度のボーナスとその後の活動費の自由)が大きければ良い。起業家に比べて、社内起業家はより、会社のため、仲間のため、という意識が強いです。そんなところでしょうか。

社内起業と起業は違うが

起業した人には分かって頂けると思いますが、経験のない人には説明が難しいのですが、似て非なる、また、非なるが似ているとも言えます。ただ、世の中には隠れてひっそり燃えたい人も沢山いるということですね。これがイントラプルナーとアントレの違いでしょう。アントレは特に目立ちたがりではないですが、声を挙げないと誰も聞いてくれないですので、一部の特殊な事業を除けば、目立たないとキツイです(少なくとも当初は)。

結局は事業を興すことではないか?

100億円の事業を創ろうと思ったら、社内起業は少なくとも起業よりも有利かもしれません。巨人の肩の上に乗るということができますので。結局のところ自分が興したい事業でどのやり方が一番良いのか?ではないでしょうか。

米国はイノベーションのスタートアップ依存が強いですが、ドイツや日本のようなライン型資本主義(継続&家族経営型)の国は社内起業とベンチャー連携の組み合わせが基本でしょう。今後、イントラパーソナルダイバーシティが上がってくると、社内起業も活況しそうです。私も大手出身ですが、今も入社当時の部長の言葉を憶えています。

やりたいことがあったら隠れてでもやれ

いつの間にかこのような精神を我々は忘れてしまったのかも知れませんね。しかし、また思い出せる日も近いでしょう。まずは、正しい野心の元に事業を興すことが何よりも肝要ですね。

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