01Blog / いつか「あの頃はキラキラしていたね」と思う日が来る

2016.03.19

この状況が当たり前ではなく、有難いことだと日々、認識出来なければ傲慢になっていると言わざるを得ない。僕たちは生かされている。 by 佐々木光英 AnotherShotGolf創始者(フィットネスアクセラレーター選抜)

毎日必死に生きるスタートアップは止まっている事を知りません。当然、トラブルも多いですし、客先あってのことですので、自分たちの計画通りになりません。まだまだ一つ一つの受注が会社の命運を分けるレベルの事もあって、ある日は天国、ある日はどん底、そんな気持ちを味わうものでしょう。

このままではキャッシュが尽きるのはあと何ヶ月。成功したら拡大しますので、また同じような話になります。収入を得ても決して安定材料にはなりません。成功は次の不安を呼びます。スタートアップに不満は無いかも知れませんが、不安はあります。

一つの成功は通過点に過ぎず、一つの失敗を悔やむだけでは終わらず、対策を練らねばなりません。このような中ですから一つの成功でも傲慢になってはなりません。「勝って兜の緒を締めよ」という当たり前に自分達の心を制御せねばなりません。

知名度もありませんから、時に扱いも酷い。何度、机を蹴飛ばして席を立とうと思ったことか。プライドとの闘いです。ただ、面白いもので、対応が悪い人が時に後で味方になってくれたりもします。後で思えばあの時、怒らずに来てよかった(逆に怒ってしまって反省)と思ったりします。

チームも難しい。喧嘩もしますし、時に方向性も合いません。長く務めることを前提とした会社と異なりますので、ロイヤリティや気を使うという部分は相当なくなりますので、何かを成し遂げたいという大きな目標が皆を繋ぎます。色々悩みます。

成功するスタートアップは周りがどんどん助けてくれます。そして色々な人の考えが交差します。時にポジティブに時にネガティブに。しかし、それでいいのです。

Startupは急成長を目的とした組織です。

ここには深い意味があります。つまり、そのチームは永遠では無いということです。いつかは良い意味で「Startup」は終わります。それは会社体としてマネージメントがしっかりしたり、買収されたり、人が抜けたり、いつかは少なくとも形を変えます。つまりStartup(0⇒10/100)という状態は永遠には続かない。だからこそ、美しいのです。まるで、一つの素晴らしい映画を創るために集まったプロジェクトチームのように。

あの時あのメンバーで無ければできなかったと感じること。
そして、いつかその苦労がキラキラしていたと思えること。

なんとも懐かしく、二度とやりたくないと思いつつ、それを考えるだけで心震えること。オッサンくさい言葉を使えば「恋」に近いのかも知れません。

それがスタートアップです。

さて、二人の勇姿を見ながら昨日はそんな事を考えておりました。

毎日必死で頑張り、急成長する森永アクセラレーター選抜のウィライツの創業者の二人(慰安会より)。きっと彼らは未来にあの時あのメンバー(多くの人が彼らを慕って手助けしてくれております)でしかできなかったこと、そして、今の苦労(と思っていないかも知れないが)がキラキラしていたと思える日が来るでしょう。そして、その時、彼らは次の夢を叶えるためにまた走りだすのかも知れません。


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